クロマト分離について
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擬似移動層方式クロマト
 図3の移動層方式での充填剤カラムの移動は、視点を変えてみると、溶離液の移動方向 に各供給位置、抜き出し位置を連続的に移動させることに等しいことが判ると思います。

 図4に示す様に充填層を幾つかのカラムに分割して原液の供給位置を溶離液の流 れる方向に順次間欠的に移動させる事によって移動層方式とほぼ同等の分離性能を 得る事ができます。
これが擬似移動層方式の原理です。

 次に、実際の擬似移動層式クロマト分離装置について考えてみます。

 図4に示す様な、それぞれのカラムの出入口を円環状に接続して、流体の出入口を 各カラムに4ヵ所づつ設けた装置について考えます。

 流体は、カラム内を円環状に循環して流れると同時に原液F、溶離液D、成分A、 成分Cの各出入口から連続的に出入りする事が出来るようにします。

 ここでF、D、A、Cの各出入口の位置を、円環状に循環して流れる流れの方向に 一定時間毎に切替え、1カラム分づつ順次移動させます。
この時各出入口の移動速度(UV =カラム長さ/切替時間)を成分Aの移動速度 UA よりも小さく、成分Cの移動速度 UC よりも大きくなるように運転します (UA>UV>UC)。

図 4

Internet Explorer3.02以降
Netscape Communicator4.06以降
の使用をお勧め致します。

 この様な操作条件で運転する事により、流体の流れと逆方向の速度 US(=−UV) で充填剤を見掛け上移動させる事が出来ます。

したがって成分A、Cは、原料供給口Fを境に互に逆方向に移動し、抜き出し口A、 Cからそれぞれの成分を連続的に抜き出す事ができます。
これが、擬似移動層式クロマト分離システムです。

 しかしながら、擬似移動層方式は2つの画分にしか分けられないと言う欠点があ ります。

 図4に示す様に擬似移動層装置では原液供給口Fから各成分の抜き出し口A、Cの 間は常に成分Aまたは成分Cが存在しています。
したがって成分Aと成分Cの中間の移動速度を持つ成分Bが原液中に存在し、中間 の成分Bが供給口F付近に集ってきたとしても、成分Aまたは成分Cと混在した状 態でしか存在せず成分Bだけを高純度で抜き出すことは不可能でした。

 このため擬似移動層装置では、目的成分の溶出位置が、分離対象成分の中で、最 も早いか、あるいは最も遅い場合にしか、一度の分離操作で目的成分を取り出すこ とはできなかったのです。

 目的成分が不純物と不純物の間に挟まれた位置に溶出する場合には、

  2つに分ける操作を二度行うか、
  2つの装置をシリーズに組み合わせるか、

の方法を取るしかなかったのです。
この基本原理のために、擬似移動層方式は2分画の用途に限定されてきました。 しかし実際の分離対象には当然、多成分系が多く、擬似移動層方式の高性能を維持 したまま一度の操作で三つ以上の製品区分に分離できる装置が待望されていたので す。

 そこで

多成分の分離に適した固定層方式
高純度・高濃度・高回収率の分離が可能な擬似移動層方式

それぞれの特長を生かした有機的な組合せにより完成された多成分分離システムが 【新JO方式クロマト分離装置】です。
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最新改訂日時 2001年 1月22日