すべては、お客さまと同じ未来を見ることから始まる。
時は少しさかのぼる。オルガノの小峰は、中外製薬の中嶋さまから壮大な研究施設の建設プランについての相談を受けた。それは創薬に関わる基礎研究を一層強化し、将来にわたって高度で安定した研究活動を行うための拠点で、「水処理が事業所の重要基盤のひとつになる」と小峰は相談の意図を直感した。水のプロフェッショナルとして取り組むべきテーマは大きく4つあった。研究を止めないための安定稼働、研究成果を確実にするための高品質、進化する研究に対応するための拡張性。これに、都市型立地ゆえの厳格な環境リスク対応が加わった。
「かつて経験したことのないビッグプロジェクトを目の前にして、全体像のイメージを掴みながら、同時に一つひとつをいかにして具現化していくかを考える必要がありました。意識したのは、今ではなく、先を見てお客さまと共有することでした」と、小峰は当初を振り返る。共有とは、単なる伝達ではない。お客さまとの対話を通して深意(インサイト)を理解し、期待を超える具体的なプランを提示しながら、プロジェクトを前へ進めていくことだ。
「求められているのは創造力と実行力」と小峰は自らのミッションを位置付けた。設備導入のみならず運用までを含めた総合提案をすること、トラブルすらも予測した対処法を織り込んだ内容にすること。そのために、何をどうすれば良いか、誰をどこに配置すれば推進できるか、プロジェクトメンバーを含めた構想を頭の中で駆け巡らせた。
適材適所で若手メンバーを起用。
プロジェクトの実施が決定し、進行に合わせて、小峰によってメンバーが召集された。設計の段階で、技術の二見と、営業の深澤に白羽の矢が立った。二見は排水処理設備のプラント設計で実績を重ね、顧客への説明スキルが高い技術者だ。深澤はグローバル案件をまとめるために海外赴任していたところを、プロジェクト始動のタイミングで日本へ呼び戻された。
運用を検討する段階になって加わったのが、営業の小畠と本田だった。小畠は現場に近い営業経験が豊富で、本田は新卒入社直後に当プロジェクトで現場研修を受け、その流れで配属された。前例のないビッグプロジェクトを目の前にして、最前線で活躍するオルガノの若手社員は何を感じたのだろうか。

深澤
「戸塚の駅前に中外製薬さまの準備室があり、これから詳細をやっていくぞというタイミングでの参加でした。我々の使命は明確に決まっていましたので、強いプライドを持ってそこに応えたいという一心で現場に立ち、お客さまと向き合いました。これだけ多くの研究棟を同時期に建てなければなりませんので、工期を遅らせられないという重圧と責任感もありました」

二見
「当プロジェクトでは排水処理設備のプラントを屋内に設置していますが、私自身、屋内のプラント設計は初めての挑戦でした。搬入はもちろんのこと、将来の入れ替えを見据えて搬出のことも考えて設計しなければなりません。屋外プラントでの知見も生かしつつ、図面の前で何度もシミュレーションを繰り返しました」

小畠
「研究者の皆さまに気持ちよく研究活動に専念していただくためには、運用はとても重要です。水処理の運用を支える業務は当社でも事例があまりなく、本田と2人体制で臨むことで、信頼に応えていこうと決意しました」

本田
「まず、この規模感に慣れることが大変でした。膨大な設備を安定稼働させるためには、どこをケアしなければいけないのか、日々学びながら一つひとつ身につけていこうと思いました」



































